秋内 常良のブログ

【作家】秋内 常良(あきない つねよし)のブログです。

カテゴリ: 哲学

何か新しいことを始めるとき、
何かこれだと思うことを獲得したいとき、
自分に課していることがあります。
それは……

nanhyaku


「100回やること」

です。

これまでの経験から言って、
どんなことでも100回行うと、
なんとなく自分で感覚がわかったり、
自分なりの見え方が備わってくるからです。

例えば、
筋トレをやろうとしたら、
とにかく100回やってみる。

体がなかなか大きくならないとか、
頑張っているのに痩せないとか、
色々文句も出てきますが、
そんなことは無視して、
とにかく100回やってみるわけです。

週に2回だとしたら、
月に10回で、10ヶ月ですね。

これを行うとどうなるか、
確実に体は変わります。
スタート時点から見ると、
いつの間にか遠くに来ていることを感じます。

例えば、株価の流れを見るときも、
100日間の定点観測を行う。

同じ店に100回通ってみる。
文章を100回書いてみる。
同じ食べ物を100回食べてみる。

対象はなんでもいい。
とにかく100回という回数をこなしてみる。

すると不思議なもので、
100回というまとまった回数をこなすと、
人はその分野に関して、
ある程度の嗅覚を獲得できるのです。

株価の流れがわかるようになる、
店の味の少しの違いもわかるようになる、
文章が次第に上手になる、
などなど、
対象に関して一家言持てるようになるわけです。

ほんまかいな?
と思うかもしれませんが、
これは本当なので、ぜひ試してみてください。

私も今そのチャレンジをしてまして。
それは何かと言いますと、
このブログの記事ですね(苦笑)

まだまだ道は遠いですが、
それでもちょこちょこ登っている段階です。
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先日歩いていた時に遭遇した美しい猫。
しなやかな歩きがたまりません。
どうにかして猫に関わる仕事をしたい。
いや、単に猫と戯れていたいだけかもしれません。
どちらでしょう。
いずれにしろ、猫を見ているだけで、
ニヤニヤしてしまう単純な人間です。

cat

先日、打ち合わせの合間に立ち寄った本屋で、
驚異的な文章を見かけました。

お腹周りの脂肪をなくすには、
といった分類の本棚を一通り眺め、
その中の一冊を手に取り、読み始めると、
すぐにその文章が目に飛び込んできたのです。
それは、

「お茶が痩せるのをサポートする最高の飲み物です!」

でした。
(こんなイメージの文章です)

思わず二度見してしまいました。

そんな情報にこれまで一度も、
触れることがありませんでしたので、
まさかという思いでした。

しかも緑茶が良いというではありませんか。

「マジかいな……」

思わず汚い言葉を使ってしまうほど、
内心驚いていました。

緑茶といえば、古来日本の家庭で、
毎日のように飲まれていた、

「ザ・普通の飲み物」

ではありませんか。

私が実家で暮らしていた時も、
朝起きたら、まずは緑茶を一杯。
食後に緑茶を一杯。
おやつの時間に緑茶を一杯。
夜帰ってきたらまずは緑茶を一杯。
食後に一杯。
という具合に、
毎日何の疑問もなく緑茶を飲み続けていました。

それがじつは油の吸収を抑えたり、
脂肪を燃えやすくしたりするらしいのです。

確かに言われてみれば、
緑茶ではありませんが、
中国料理を食べるときは烏龍茶を飲むべし、
などと言われていたことを思い出します。

「なるほど。お茶にはそんなに力があったのか……」

私は本棚の前で、思わず天を見上げました。

私としたことが……。

実家にいた頃は、
あんなに毎日緑茶漬けの日々を送っていたのに、
今や、緑茶はまったく飲まず、
ひたすら毎日コーヒーを飲んでいました。

朝起きたら、まずはコーヒーを一杯。
食後にコーヒーを一杯。
おやつの時間にコーヒーを一杯。
そして、
夜帰ってきたら、お酒にチェンジ……。

おおお……なるほど……

そこにも罠があったのですね。

まったく知りませんでした。

なぜこれまで緑茶を飲まなかったのか、
この文章を読んですぐに、
私は自分を叱りたい気分になりました。

何しろ緑茶が身近にないわけではなかったからです。

棚には実家からもらったり、
実家じゃないところから頂いたりした、
緑茶の缶たちがゴロゴロありますし、
冷凍庫にだって、
カチンコチンに冷えたお茶の缶が入っています。

冷凍庫で保存しておくと良いと、
誰かから聞いたからですが、
いったいいつのお茶かは考えたくもありません。
とにかくお茶が入っているのです。

このように、私の周りは、
いつだって緑茶を飲める環境に、
整っていたのです。

それなのに、緑茶を飲まずに、
お腹の脂肪と戦っていたという体たらく。

私はすぐに反省し、本屋を駆け出しました。

その日の打ち合わせには、
もちろん緑茶で臨みます。
冷たいお茶は好みではありませんが、
贅沢を言っていられません。

すべてを終えて、家に戻ると、
私はまず、戸棚の緑茶の缶を引っ張り出し、
急須を探し、見つけ、
お茶を淹れて、すぐに飲みました。

「はぁ……美味しい」

慣れ親しんだ味が、
口の中にふわりと広がりました。
実家で飲んでいた緑茶。
(品種は違いますが……)

母親がいつも淹れてくれていた緑茶。
思い出が蘇ってきます。
ということはあまりなく、
自然と飲みながらお腹をさすっていました。

「脂肪よ、なくなれ〜」と。

嫌いな味なら飲みたくありませんが、
何しろ緑茶は美味しいのですから、
もう決まりです。

もちろんその日から、
毎日お茶を飲んでいるのは、
言うまでもありません。

その日から一気にお茶党に変身です。

いや、正直に言うと、
コーヒーも飲んでいます。
コーヒーの方が格上げといいますか、
気持ち的には、

緑茶はひたすら飲む。(脂肪消滅のため)
コーヒーは気分転換に飲む。(優雅になりたいため)

といった具合です。

ここに、眠気をひたすら取るために、
浴びるように両方飲む、
という状況があることも書いておきます。

とはいえ、緑茶って、
こうしてまた飲み始めてみると、
本当に、ホッとする美味しさですね。

皆さんもぜひ。
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村上春樹が走ることについて、
詳しく語っている本を出していましたが、
私もそれに倣って、
というか、もう少し簡単に、
いや、もっと大幅に簡単に、
似たようなことを書きたいと思います。

それは……

「筋トレと書くことは同じである」

ということです。

いきなり何を言い始めたのかと思った皆さん、
そう思った皆さんは、正しいと思います。

私もいきなり何を書こうとしているのか、
そう思いながら、これを書いています。

でも、書かずにはいられなかったのです。
(いや、これ以外にネタが思い浮かばなかったのです……)

まあ、それは置いといて。

ここ最近、またまた体を作る時期に入ってきまして、
食事を変えたり、運動を増やしたり、
筋トレを増やしたりしているのですが、
そういう日々を重ねるごとに、

「いやぁ、筋トレって書くことと同じだなぁ」

と心底思うのです。

何が同じかと言いますと、
まず言えるのが、

「筋肉は1日してならず」

です。

皆さんの頭の中にはすぐにあの有名な、
「ローマは1日にしてならず」
という言葉が浮かんできたと思いますが、
そう、まさにそれです。

筋トレを始めるときに毎度思うのですが、
「今日やったら明日には大胸筋バキバキにならないかな」
と思うのです。
最初の頃はもうほとんど毎回思うのです。

しかし悲しいかな、いやじつは喜ばしいことかもしれませんが、
筋肉は1日ごときではまったく変わってはくれません。

もちろん、筋トレをした直後は、
筋肉が膨れ上がって、
さっきよりは大きくなっています。

鏡を見て、喜んでしまう瞬間です。
だから筋トレをしている人は、
やたらに鏡を見たがるのです。

しかし、大変残念なことに、
次の日にはたいていしぼんでいます。

筋トレを本当にやったのかと思うほどに、
筋肉は落ち着きを取り戻し、
澄ました顔で、いつものように、
そこに佇んでいます。

ここで諦めてしまえば、ローマを作れません。

それでも諦めずに、毎日毎日、
地道に筋トレをしていく。

しっかり栄養を取り、
自分を追い込んでいく。

もちろん、鏡を見て、
自分を愛でるのも忘れてはいけません。
胸をさする、上腕二頭筋にこぶしを作るなど、
マッチョをイメージして、鏡の前に立ちます。

そうしてひと月も経ってくると、
じつは結構肉体は変化してきます。

周りからも、会うたびに、
「あれ? ちょっと大きくなった?」
など言われるようになります。

自分でも少しずつですが、
胸回り、肩周りが大きくなってきていることに、
鏡を見ることで気づいてきます。

この頃になると、
やたらとTシャツを着たがるようにもなります。
しかも体にぴったりとしたものをです。

それは体が変わってきている印です。
これを実感できると、
ようやく筋トレが楽しくなってきます。
(人って実感しないと成長しないものですね)

これを続けて3ヶ月にもなれば、
一目で変わったことがわかるようになります。
ここまでくると、
もはや別人と言ってもいい状態にまで変わっています。

これはまさに書くことと同じです。

書き始めた頃は、自分の文章の下手さ加減に、
発狂してしまいそうなほどですが、
それでもめげずにとにかく書いていくと、
次第に変化していくことがわかってきます。

とにかく書く。
質より量を書く。
毎日書く。

これを続けているうちに、
さすがに3ヶ月くらいでは難しいかもしれませんが、
一年もすれば、
最初の頃に比べて、
格段に文章の質が上がっていることを、
自分の書くスピードと、
読み返した時の直しの少なさあたりで、
確認できるようになると思います。

頭で考えたことを、
同じように文章に書いていけるということです。

これはまさに筋肉と同じですよね。

毎日やり続けていれば、
筋肉は着実に増えてくれ、
文章は着実に上手になってくれるのです。

ただし、その動きを止めてしまうと、
その落下速度も半端じゃありません。

飲み会が続いた……
疲れた……
めんどくさい……

などで、筋トレを辞めてしまうと、
筋肉の別れ足のなんと早いことか。

ついこないだまで、
一番近くで仲良く愛してくれていたのに、
ふと気づいたら、もう去ってしまっているのです……

戻ってもらうには、また一から、
愛して丁寧に育て上げるしかないのです。

「ん? 愛す……」

あ、筋トレは、文章だけでなく、
恋愛とも一緒だということに、今、
気づきました。

皆さん、丁寧に筋肉を愛し、
文章を書き、
愛する人との関係を続けていきましょう。
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日本各地のビジネスホテルの朝食の時の雰囲気が好きです。

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たいていの場合は仕事で行っているので、その日の段取りやスタッフたちの動きやケアを考えながら食べることになるのですが、その際出来るだけ窓際に座り、その土地その土地の朝の情景を見るのがなんとも言えず気持ちが和らぎます。

ビジネスホテルとはいえ、仕事以外でも、旅行や冠婚葬祭などで宿泊されているお客さんもいるので、全部が全部仕事モードではない。かといって、お気楽休日モードでもない。両方の雰囲気をまとった空間。それがまた良いのです。

その日の仕事をしっかりするために、山盛りのご飯を黙々とかっこんでいる人もいれば、その日の旅行の予定を思い浮かべながら楽しそうに食べている人もいる。さらには礼服を着て、何やらいろんな想いを抱えながら静かに食べている人もいる。それが皆一堂に食堂(ロビーの横にあることが多いですが)で、食べている。

そんな雰囲気の中で食べていると、窓の外では、その地域でのいつもの出勤風景を見られます。向こうはすでに朝ごはんを食べ終わり、慌ただしく出勤しているのですが、こちらはまだもぐもぐご飯を食べている。

「こちらも食べ終わったら、みなさんと同じです」

なんて密かに思いながら、行き交う人々を眺める時間がとても好きなのです。

他にもあった人生を思っているのかもしれません。

行き交う人々は、自分。

楽しそうに歩いている人も、辛そうに急ぎ足でどこかへ向かっている人も、すべてが自分の一部に見えてくるから不思議です。

目の前にある選択肢をどう選ぶかで自分の人生が刻一刻と変わっていきますよね。その選択の違う結果に見えてくるわけです。

「今日もしっかり頑張るか」

日本各地のビジネスホテルで朝食を食べるたびに、そんなことを思います。

それにしても、どうして、移動した先の朝ごはんはあんなにも美味しく、信じられない量を食べられるのでしょう。たいてい太って戻ってくることになってしまうんですねぇ。
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